ギターの音に合わせて歌っていると、曲のリクエストが。
けれど、その曲はレパートリーにはありませんでした。
「今度、練習してきますね」
そう言って、その日は終わりました。
後日、
練習を重ね、あらためてその曲を披露しました。
ところが、
リクエストした本人は、
そのことをすっかり覚えていません。
少し、胸がざわつきました。
忘れてしまうこと。
もしかしたら、いつかの自分の姿。
それでも、
演奏が始まると、
気持ちよさそうに耳を傾け、
ふっと笑顔がこぼれていました。
好きな歌は、ちゃんと届いています。